ほのえりは世界を救う

答えは得た――高坂絵里

えりうみSS「君という花」を、書き納めに書いた話

・本編


https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10559777


・今年もよろしくお願いします


書きたいことはいっぱいあれど、ゲームもしたいし読みたい本もあります
体は一つで心も一つ、致し方なし
一つ一つ進めていきましょう


・衒気


全くどうでもいい話ですが
暇つぶしに漢検準一級の勉強とかして……たんですよ
もう過去の話だった

今は一級をやってます
学ぶのは楽しいのですけど、模擬試験とかやると吐きそうになります
お前は何でそんなものを問題にしやがった漢検ンンンン、ヴァー!

準一級とか小学生でも受かるものですから、皆さんも受けてみましょう(それを言えば一級も小学生が取ってたりしますね、凄いですね。漢和辞典で遊んでるような子達だからちょっとパワーが違いますが)
で、色々故事成語や四字熟語とか、そういうのに触れる機会がそこそこあるわけですよ
また、漢字の書き方読み方覚えたところで言葉の意味を知らなきゃそれこそ全く意味が無いわけであります
意味を知るということは成り立ちを知ることに繋がって行き、漢字の場合多くは中国の話に流れていくわけですね

というわけで、中国の歴史に思いを馳せる機会と言うのが必然的に多くなります

元々中国史は専攻ではないですが、宮城谷先生のおかげでそれなりに勉強することができた(氏の本は小説なので当たり前だが鵜呑みにしてはいけなません。が、氏の本は司馬君等よりは偏向が少ないものだと思っています。少々空想が突飛なのにくどい表現を使うので人を選びますが)ので、予備知識はあります
陳舜臣先生の「小説 十八史略」などは入門書として非常に優秀かなと思うところもあり(勿論こちらも小説であり、脚色は少ないですがそれなりにあります)

さて、そういった故事というものの知識を蓄えると無意味にひけらかしたくなる(これを披瀝といい、その心を衒気と申します)のが人と言うものです
そこでぐっと我慢する(披瀝の対義語は韜晦になりますが、一概に韜晦が披瀝の反対であるわけではありませんし、韜晦も過ぎると問題があります)ことが大事なのは間違いないものです
物知り顔で語って間違える事は中々恥ずかしいですからね
間違った事を認めてすぐに誤りを訂正できる度量を持って事に望むのが大切なのですが
後、知識だけで実践が伴っていなければ空回り以上に嫌われる素です


でもやっぱり知ったものを人に教えたくなるのは性というものでありまして、話の合う人間と盛り上がると言うのは大事なことです
つまり、そういった知識の放出を嫌味に思わせないように行うことが重要と言うことになります
今風に言えば、『相手にマウントを取られたと思わせない』と言う事です
これはオタクと呼ばれる人種にとって大いに問題となることです


当然とても難しい、私自身実践できているとは到底思えない
今もこういうことを書いて、人に見せようとしている事それ自体がある種の嫌味であるととられても仕方ないものでしょう

共に学び共に楽しみ共に栄える、という意をこめて言を発したいものであります
それを相手を選んで行う事は容易いでしょう、趣味とはそういうものですね
君子が君子と遊ぶのは結局そういうことでありますが……まあ、難しい



・海棠睡未だ足らず


玄宗楊貴妃と言えば長恨歌ということになりますが、上のは別にそれの中には含まれません
唐書の中の楊貴妃伝に載ってるらしいです
最近では映画の「空海」でも楊貴妃ちゃんが登場したはずです、多分、見に行ってないから分からないですけれど小説(『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』)は読みましたから

この語句を見た瞬間、「海未」か……と思ってしまった私は悪くないと思います

じゃあ海棠を海未に名づければいいじゃないかと考えるところですが、そうは問屋が卸しません
楊貴妃は豊満な体形であったと伝わっております
白居易の言うことは無視しましょう、あいつは実物みてないんだから仕方ありません
豊満ってどのくらいなんだ、となりますが……
中国に置いては柳腰が基本美人のモデルなのですけれど、唐代だけはグラマーな方が優勢でした、唐代だけ
楊肥趙痩と言う言葉もありますし、まあうん

どっちみちこれでは海未につけるわけにはいきません、絵里につけるのもどうかと思いましたが……本文ではそこには触れませんでした、艶やかという言葉で誤魔化してますね

次に、「酔って寝た楊貴妃が、目覚めてもまだ酔いが醒めきっていない様子の美しさを示している」わけなんですが
この点で、ちょいと年齢を上げて酔いが醒めてない絵里ちゃんを海未ちゃんが綺麗に思うというちょっとアダルティ?な展開も悪くないかとは思ったのです(その後は美味しくいただくわけですよ)
が、これを却下
悪くないしテンポもいい作品となるでしょうが、海未がわざわざ絵里を「海棠」と称える意味が薄れてしまうのですよ
勿論、「海未の名前が入っているという点に海未自身が気付いていなくて絵里が指摘するという展開」で誤魔化すこともできますが……


仮に展開するならこんな感じ

絵里希穂乃果辺りが居酒屋で飲んでる

海未が、絵里の事を「海棠」って喩えてたという話が出る

絵里、よく分からない

絵里、酔っ払って二人の愛の巣に帰る

海未、絵里を窘める

絵里、海棠の話をする

なぜかベッドへGO(必須ではない)

その後で説明を受ける

絵里「その言葉、海未って名前が入ってるわね」



こういうのもよいでしょう、がそれでは海未が少々抜けすぎてて嫌だったと言うのがあります、見たら気付くでしょう普通

というわけで、本編のような展開としました
途中の微妙な心理展開は、話の都合というやつであんまり意味の無いものです
単にこの言葉と花の名前を使いたかっただけということ
そしてそれにふさわしいのは海未はともかく、やっぱ相手は絵里なのですよ
他のキャラだと成り立たないな、と最初から思いました


・余談


各キャラの色を含むイメージは、プロフィールやこれまでのライブでの積み重ねで固定されているところがあります
当たり前ですよね

でもそれって別に二次創作内で必ずしも守るべきものなのか?
という話

二次創作と言うものがある程度説明を簡略化できるのは、作者と読者の間にあらかじめ共通イメージが非常に多く存在するからです
海未って言ったら「園田海未」を思い浮かべるからです
特別に注記されていない限り、あの黒髪ロングの凛とした大和撫子を脳内にイメージするからです
それを逆手に取って遊ぶこともできますが……

でも別に縛られる必要性はないわけですよ
「何で変えたんですか?」「彼女はこの色でしょ、頭おかしいの?」とかいうコメントが飛んで来ることを恐れることはありません
設定世界の都合、話の都合で変えていけばいいのですよ、整合性をとりながら
ただし、縛られないと言うことは説明を多く要することになります
そこが難しさと言うものでしょう
省略することもできますが、省略すると描写が力を失う可能性が高い(高いだけであって、絶対ではない)

固定されているものをあえて変える勇気も時には必要と言う話です
パロディ屋としてはなるったけ変えずに接合したいものですけれど


・野望


えりうみで、故事成語を学ぶシリーズを作りたい


・次回予告


書初めはようりこお正月と言われておりますので
そちらをちょっとやってみようかなと思います、さらっとね

同時並行でなんでも合同の話を進めます