ほのえりは世界を救う

答えは得た――高坂絵里

漢検小咄~漢検一級物語 其の壱

f:id:kisamoko:20200216003632j:image

(作:水産氏、勝手に使ってるぞこいつ)

嫦娥漢検一級に出たことがある

不倶戴天は準一に出たんじゃなかったかな?

現在の漢検一級

漢検一級を取りたいと思っています

既に二回挑みましたが、跳ね返されました

 

漢検一級は割と簡単にとれたよ~』

『(準一合格から)半年の勉強で漢検一級取れました』

というブログが検索すると上位に出てくると思います

 

彼らの書いてる勉強方法はとても正しいです

参考になります

でも、半年では無理です

彼らは嘘をついているのでしょうか?

 

いいえ、彼らが嘘をついているのではありません

単にページ内情報のアップデートがなされていないだけです

だって一回取ったら普通はそれ以降受けないからね、ほんまもんの漢字マニア以外

 

 

端的に言いますと

平成28年度の問題形式の改正以降難易度はインフレしまして

平成30年度第三回がピーク、それ以降はほんの少し手心が加わったものの馬鹿みたいに難しい状況が続いております

作問者が変わったのか、作問の意図(つまり漢検協会の一級に対する考え方)が変わったのか

どちらにせよ、平成27年度以前の合格者で9割以下で合格したような方が今の一級を受けたら……恐らく途中で退出したくなることでしょう

それほどまでに厳しくなっております

つまり、上のような合格記ページは2017年以前に書かれたものまでしか見当たらないんですよ

今の時代に通用しないわけではないのですが……半年は無理やね

 

無論、昔から淡々と満点目指してらっしゃる方達のブログは何事もなく更新されてますのでそちらには正確な情報が載っております

(他にも過去問の手に入れ方サイトとかもあります)

 

私はその異常な難易度の平成30年度第三回(201902)において運悪く初挑戦をしたんですよ

打ちのめされました、120点ぐらいしか取れなかった吐きそうになってた

 

リベンジの2019年11月回で155点で後一歩という……

本当に難しいです、焦らなければ後者はいけてたかもしれません

勉強や準備の不足、勉強方法の不備は否めないのですが

 

難化の原因

合格点は160/200です、8割とって下さい

・訓読みが難しくなった

飛んでもないものを出してきます

なんやねんそれは

例えば

斌しい

撓(たわむ、ではない。蕉風俳諧の話)

止めてくれ

読みで音訓合わせて5問以上間違えると雲行きが怪しくなります

 

・熟語選択が難しくなった

読みは一点ですが漢字書き取りは二点です

熟語選択は5問しかないのでそんなに怖いところではないのですが、逆に言えば2問分からないとかになると凄く凹みます

2/5だもの

平仮名になっているところから選ぶので悩んでしまうのも問題ですが、三文字熟語を最近混ぜてきて止めて欲しい

 

前回やられたものとして

 

九霄

鯤鵬(鳳と間違えた

涯際

とか……

木強漢はきつかったですね、朴念仁じゃないのは分かっても漢字が浮かばない

 

・四字熟語

これはまあ当たり外れもありますし、全体的に難化してるくらいです

でしょうか?

明らかむずかしなってますよね……

米塩博弁分からなかったのは私の不徳のいたすところですが……

でも、打成一片とか披荊斬棘はきついって

いや、前者はやっぱ私が悪いなうん

 

・当て字

これは昔から難しいからしゃーないですね

元々難しいだけです

でも、桑港の隣に加答児を置いたのは許さない

地名のカタールだと思うじゃないですか……

懸鉤子

白及

竜蝨

甘露子

辺りも鬼畜ですね、甘露子なんて草石蚕の方しか書き方知らないですよ!

 

・熟語と訓読み

これもかなりレベルが上がってます

ただ過去問からも出たりするので6/10は拾える可能性が高い

安定的に8~9/10拾えると安心感が増すかと

 

・対義語・類義語

全ての元凶

漢検一級の難易度が激化した原因の六割はこいつの仕業

 

問題形式は

書いてある熟語上段五個の対義語、下段五個の類義語を後ろの平仮名選択肢十個から選んで漢字にして書く

 

普通ですね

元々はそんなに難しくなかったんですよ(過去問から考えて

ところがこの問題がさじ加減一つでとんでもないことになると言うことを我々は分かっていなかった

つまり……

 

問題文に書いてある熟語を難しくして意味が分からないようにしてしまうと、選択肢から選ぶ以前の話になる

 

なるほど?

そこは盲点でしたねぇ……

 

例を上げてみましょう

大黒(大黒さんではない)

奥津城(≒青山)

家厳

 

勿論選択肢も酷いことになってます

かこう(≒還暦)

こうかぶつ(≒佳肴)

かろ(↔️鳳閣)

えきさく(≒玉折)

 

このダブルコンボが引き起こすのは、選択肢は10個で数ぴったりしかないのですから結びつけを間違えると連鎖的に誤答が増えていくという地獄です

分かってなきゃどうせ書けないんですけど

漢字書き取りだから一問二点

後は分かるな?

 

故事成語

癒し枠だったはずのここも中々近年は難しいときがあり、パニックになると大変です

ここまでに余裕が欲しい

 

個々の知識の偏りから来る当たり外れが大きいため一概に難易度を示せないものです

でも「天地は仁ならず、万物を以てスウクと為す」は難しすぎだと思う

 

常山の蛇勢(孫子)を蛇精と書き間違えた私が言うのもなんですけれど

蛇しか覚えてなかった

 

・文章題

ここは元々難しい時は難しいので難化とは言いがたいところがあります

文章の時代、筆者に左右される傾向にあり

江戸時代末期~明治初期のやつが現れると阿鼻叫喚地獄が発生します

逆に昭和の文ならマシなのかというと、作者が漢文知識を振りかざす奴の場合はきっつい熟語が乱舞するので注意が必要です

注意しても仕方ない

出てきたのを解くだけ

 

最終的には知識力が試されてる、漢字の力の上に

卜居はきつかった、それはちょっと知識として持ってなかった

次回

次回があれば、対策の話をしたいと思います

後、前々からやりたかった漢字勉強台本SSを……