ほのえりは世界を救う

答えは得た――高坂絵里

モコナのオリックス日報2022 ~9月30日~ 【スリーフィートオーバーの解説、スリーフットラインの罠】

前回


モコナのオリックス日報2022 ~9月27日~ - ほのえりは世界を救う

 

今日

色々言いたいことはあるが、最後のプレーについて中継の実況解説もいまいち理解しておらずDAZNも間違えたツイートを消す羽目になったので改めて見てみよう

 

小難しいのが嫌な方は一番下に飛んでね

 

説明の書いてあるホームページですら怪しい説明になってるとこもあるというのだからめんどくさい

これ間違えてるなというのもある

 

スリーフィートオーバーとは

打者走者がタッチプレーになったときに、無制限に鬼ごっこをさせると中々終わらない可能性がある(永遠とは言わない

ぶっちゃけ無駄な時間だ

それを防ぐために、走路から大きく外れてタッチから逃げることを禁ずればよい

 

野球規則でこうなっている

 

引用始

 

7.08a ラインオーバーと走塁放棄

 (1) スリーフィートオーバー

 走者が、野手の触球を避けて、走者のベースパス(走路)から3フィート以上離れて走った場合。

ただし、走者が打球を処理している野手を妨げないための行為であれば、この限りではない。

この場合の走者のベースパス(走路)とは、タッグプレイが生じたときの、走者と塁を結ぶ直線をいう。

 

中略

 

 【注1】 走路とは

 通常走者の走路とみなされる場所は、塁間を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィート、すなわち6フィートの幅の地帯を指すが、走者が大きく膨らんで走っているときなど最初からこの走路外にいたときに触球プレイが生じた場合は、本項(1)のとおり、その走者と塁を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィートが、その走者の走路となる。

 

引用終

 

読めばわかる人しかこのブログには辿り着けないと思うのだが、あえて説明しよう

 

走路≠白線である!

 

✗白線から3フィート離れたらアウト

○野手がタッグ行為(捕球した手かグラブを走者に向ける)を取った時点においてランナーがいる場所とベースを結んだライン、ここから3フィート外れたらアウト

 

白線は走路ではない、走塁においてはただの目安に過ぎないのだ

もしそうでないなら一二塁間と二三塁間にも白線を書く必要が出る

しかしそんなものはない

更に言えばベーランにおいて膨らんで走っていても何の問題もないのである

アホほど膨らんで走った場合損するのは走者だけなのだから

 

 

誤解を招きやすい点

その1

再掲してみよう

 

【注1】 走路とは

 

 通常走者の走路とみなされる場所は、塁間を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィート、すなわち6フィートの幅の地帯を指すが、走者が大きく膨らんで走っているときなど最初からこの走路外にいたときに触球プレイが生じた場合は、本項(1)のとおり、その走者と塁を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィートが、その走者の走路となる。

 

この前半の説明がある種いらぬ誤解を招くことになる

間違えた説明ページを発生させてしまう

全部直してほしい、検索上位から排除したい

いや、ある意味彼らも被害者だ

なぜなら

 

規則の日本語が分かりづらい!

 

【通常走者の走路とみなされる場所】と書かれていると、普通の人間が読んだら「走路というのは塁間の結ぶ直線の左右3フィート部分に限られるんだな」と考えてしまうだろう

「なら3フィートオーバーというのはこの3フィートから外れた段階でアウトになるんだな」と誤った結論に到ってしまうのも無理はない

 

よーーーーく見てみると、【これは『走路とみなされる場所』なのであって『走路』ではない】

そもそも走路というのが線なら地帯と書いてあるのはおかしいし

走路が地帯であると誤解したとしても、それで3フィートオーバーのルールを当てはめてみると3+3の合計6フィートまではOKになるではないか

 

つまりこれは何を書いてるか

加筆してみよう

 

通常(常識的に走者が自分に不利にならないベーランをすると仮定したならば)走者の走路とみなされる場所は、塁間を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィート、すなわち6フィートの幅の地帯を指す(としてタッチの際の3フィートオーバーの判定をするのが一々走者の位置を見てメジャーで図ったりして外れてるかどうか判定するより楽だからこうします)

(しかし、規則に例外はつきものであり)

走者が大きく膨らんで走っているときなど最初からこの走路外にいたときに触球プレイが生じた場合は、本項(1)のとおり、その走者と塁を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィートが、その走者の走路となる。

 

 

後半文章を見れば明白で、走者は通常走路とみなされる場所から外れて走っても自動的にアウトになるわけではない(アウトになるのなら「触球プレイが生じた場合」というケースを考える必要がないはず)

外にいた場合はむしろ、タッチに来た時点の走者位置〜ベースの線が判定基準へと変化するのだ!

 

じゃあ外に出れば出るほど出得なのか?

というとそうでもない

そもそも今日のケースでは一か八かのタッチプレーに出られて助かったわけだけど、一塁カバー間に合ってるなら普通に送球すればそれで終いなのだ

タッチプレーだとしても待ち構えてる方に投げるだけで話は済む

大外回ってそれで遅れりゃ意味がないのである

コンマの世界でアウトセーフ競ってんだし?

 

その2

スリーフットラインの存在

こいつも話をややこしくする

スリーフットライン、いやスリーフットレーンはなんのためにあるのだろうか?

 

走行義務と説明するサイトが多い、走らなければアウトになるのだろうか??

 

 

実は逆である

 

端的に言おう

スリーフットレーンの中を走っている限り、打者は基本的に送球に対する守備妨害を取られない

 

走者がここを走っていたら、送球が背中にぶつかったとしても送球妨害は取らないよ〜、ってことなのだ

セーフティゾーンと言ったほうがぶっちゃけ正しいだろう

走路の指標でもいいや

 

そもそも一塁に向けて走るときにそんなことが起きるのは、ボテボテのキャッチャー前ゴロしかありえない

他のところ、例えばサードゴロになったときはラインの中を走ったってアウトになることはまあない

だって送球の妨害なんか起こせないのだから

 

内側走一事件はキャッチャーからの送球だったから起きたのだ、明らかに故意だけんども

 

とにかく、スリーフットレーンに走行義務など存在しない

走ってなくてもアウトにはならない、長打を打ったバッターはレーンを外れて膨らんで走塁している(実際はベース周りと判定されるところを膨らんでるだけとも言えるだろうが……)

 

義務と言ってるページが存在するのは、少年野球の指導者達が子供にそこを走らせるようにしてるからだろう

なぜなら……激突を防ぎたいからだね、うん

内側とか変なとこ走れると分かったら夢中な子供同士の激突事故が多発してしまう、思わず左足で相手のスネをサッカーボールキックする偶発的な事故が頻発する恐れもある

子供を舐めてはいけない

 

 

そんな事情もあるので、そう書いてるページを全否定したくはないのである

もしかしたらリーグによっては特別規定でそうなってるかもしれないし

 

 

今日のん

 

①福田は『山口が捕球してタッグ行為を行った時点の位置』から3フィート(1m弱)も外れてかわしたようには見えない

そんなにかわさなくてもかわせる

 

②スリーフットレーンのルールは送球の妨害に関するものしかアウトにならない

送球行為がない以上そもそも適用されることはない

 

③福田が最初から引いてある白線の3フィート外を走っていても何らアウトになることはない

むしろ無駄に外を走っていて遅くなる危険性もある

 

つまり

 

タッチプレーに山口が来ると判断して、最初からかなり外側を走って回避した福田のスーパープレーなのである

 

 

以上