ほのえりは世界を救う

答えは得た――高坂絵里

ふわっとした将棋観の話

ぞののばラジオ

https://youtu.be/qVooas9vKSg

 

昨晩はこちらのラジオにゲストで呼んでいただきました

島ノ葉さん、ぞのみさんありがとうございます

 

さて

指す順プロファイリングのところの最初で触れてました、かまいたちの話については中々上手く話せてなかったので補足として文章で少しまとめたいと思います

 

かまいたちの観点

先日マイナビから出ました、かまいたち&カメレオン戦法を読まれることで一端がつかめると思います

現在の将棋事情とかまいたちとの折り合いという意味ではその方が良いでしょう

 

ですが、本音を言えば昔々に三一書房さんから出版された元のシリーズ(5冊)を読むのをお勧めしたい

もうないからこそマイナビの方で出し直す形になったんですケドね

 

棋書としては絶対的なものではない

アマ将棋界で戦われていた時代に全部のネタバラシを書いてあるわけでもない

対策はたくさんあって対策対策もあって、それらが網羅されてないので付け焼き刃では扱いきれない

 

そんな取り扱い注意のかまいたちに魅了されたのは、勿論そのわからん殺し的なところが大半ではありますが

 

観点です

駒の働き方を重視するという点です

右銀を使うという、相手の駒の動きを誘導制限してこちらの駒の働きで作戦勝ちに持っていこうという考えです

 

例えば19手定跡のうち横歩取られ型なんかはそれが顕著です

相手は飛車しか動いていないうちにこっちは角金両銀5筋の歩が前進しているという発想です

評価値の時代になって駒の働きは歩得とほとんど変わらないことは分かってしまいましたが、それでもなんか動いてる方が面白いじゃないですか

 

対三間右四間なんかは飛角銀桂をフル活用して相手のコビンを攻めるわけだし、四間に振り直させれば一手得してるという考え

 

このあたりの論理が当時は本当に新鮮だったのです

 

かまいたちの成立背景

以前も書きましたが、英春師が奨励会を退会してアマデビューした頃

今のように各戦法の情報やら対策やらが氾濫してた訳ではなかったのです

最序盤は割と軽視されていました(有名急戦はともかく)

そして大抵トーナメントで全然知らないクソ強おっちゃんorめちゃツヨ学生と戦わねばならない

彼らが対局前に得意戦法を教えてくれるわけはなく

 

一発トナメで戦い抜くために必要なものはどんな戦法が来ても自分の土俵に相手を誘い込むこと

 

この土俵というのが二手目62銀であるわけで、かまいたちの成立背景の一つです

現在とは全く違うと言えましょう

 

そのためには結局、相手が指してくるだろう戦法を基本全て熟知しないといけない

それらの攻め方崩し方を知る必要があるのです

そして初めて、かまいたちが使えるようになるというか

 

むしろ

かまいたちは戦術的な見た目の部分がやはり取り沙汰されますが

前述の発想からすれば、要は相手のあらゆる戦法に対処できる指し回しを持ち合わせる序盤手順を組み立てて、銀を前に押し出して活用し相手に圧をかけていけば

 

かまいたち

あらゆる戦法に対処するには相手の手から選択した戦法を判断すべきだし構想を見抜かねばならないし……

引き出しは絞りたいけど実は絞る必要はない

カメレオンは袖にこだわらないし、二枚銀棒銀は別に二枚銀を使わなくていい(穴熊に戻して松尾穴熊になってよい)

 

相手の狙いを見抜いてふわふわいなしていき、隙あらばごりごり行く

序盤に隙あらば相手の狙いが立つ前に木っ端微塵にする

 

変幻緩急自在こそ目指すところと言えましょう

なればこそ内容よりも極めて勝負にこだわるゆえんでもありますが……

 

 

難しい

とりとめのない話になりますが、こだわりを持ってこだわらないというところをお伝えしたかった

 


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どのみち将棋はゲームで、ゲームなれば前提は両者が勝ちを目指すことにあり

その場でなんやかや相手を出し抜けたときの快感は得も言われぬ物でしょう

 

そのまま勝てればなお


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