フリーズ、Act……4!
前回までのあらすじ
新感覚変則将棋、Freeze!将棋のルールは①をチェック!
ところで、自分でサムネに設定してるけど、ぐぬぬ雪穂が並ぶと何の記事なのかわけがわからない
対局者紹介
VS
将棋ウォーズ、10分切れ負け、二先で行われる
勝った方が決勝行き
ニューヨークヘ行きたいかー!!
棋譜コメ中は対局者の敬称略です
対戦動画
第一局
エクトリア 先
ウンフェルスさん「F将棋の先後は重い」
初手 ▲56歩
2手目 △54歩
綾「ちょっとやめてそれー、一番やられたらいやなのねー」
6手目 △34歩
綾「鬼殺しできなくてじりじりとした展開になっちゃうからー」
15手目 ▲49玉
玉寄り、低く構える
角頭歩がつかれていることを除けば、初心者同士の中飛車対決に見える
17手目 ▲68飛
飛車を寄った
やはり先手の方が局面を主導できるか
18手目 △25歩
ちせパンの準備
20手目 △26歩
ちせパン(2筋8筋の歩から突破口を開く)を決める
綾「千星パンチ、決めてみたわ」
21手目 ▲同歩
27地点が開いた、しかし開いただけでは意味は無い
23手目 ▲25歩
逆に伸ばされる、大丈夫か
24手目 △33角
角をあがってみたが、▲24歩と突き出されても取れるのだろうか?
26手目 △36歩
エク「なんか狙ってるのか~」
取るとどうなるのか予想はつかない
27手目 ▲64歩+F歩(先手F2後手F3)
37地点を守りながら攻め込む
28手目 △94歩
綾「ごめん、まちがえちゃったわ!」
間違いである
Fをかけられた歩に注目する余り他の歩を動かす事故はよくある(本棋戦では2回目)
錯覚いけないよくみるよろし
両者の合意で対局は継続
29手目 ▲63歩成
単に成った
30手目 △同銀+F飛(先手F2後手F2)
防御にFをつかった
しかし防御になっているかは怪しいところ
31手目 ▲76歩
角道を開く(ただ)
銀側を守ると角交換をしかけられ、先手が手番を握ることになる
後手はどちらかを選択しなければならない
32手目 △88角成
少し悩んで角を取ったが、これは玉に迫られる
ウンフェルスさん「角をただやんさせることで思考を奪う好手」
33手目 ▲63飛成
綾「これは大変だわ」
実際大変である
34手目 △62歩+F竜(先手F2後手F1)
Fをかけないと詰まされるためだ(52竜+F玉から)
Fをかけられたが継続手段がある
35手目 ▲53銀
銀の打ち込み
これで先手の攻めは止まらない
36手目 △63歩+F銀(先手F2後手F0)
非常手段
後手は本将棋モードに突入
先手には分かりやすい決め手がある
37手目 ▲62歩
厳しい
放置すれば▲61歩成+F玉まで
△同金は▲52銀成+F玉▲同金からの飛車打+F玉まで
△同飛が粘りの一手となるが、同銀成でもいいし64歩打も候補に上がってくる(64
歩打はF2を使っての詰めろ、角打ちなどで防ぐしか)
38手目 △同金
本譜は同金を選択
39手目 ▲52銀成+F玉
41手目 ▲41飛+F玉 まで
41手で先手エクトリアの勝ちとなった
・感想戦
綾「師匠(ローランさん)と同じ事になっちゃったわ」
エ「角はおとりだ!」
綾「千星パンチで隙を作りたかったんだけどねぇ」
(作るタイミングは相手のFの時などがよいかもしれない、金駒か角が欲しい)
常盤台メイさん「ひとつでも駒を持っていると痛いんですが、持駒なしだとダメージが小さい感じですね>千星パンチ」
綾「やっぱりエクちゃんヒラメキが凄いですねー」
エ「フリーズはずしのおとり(>ただ角)」
エ「▲64歩+F歩は36歩を止めるのもかねてるんだけど」
綾「そうなんですよねー」
綾「ただやんって思って飛び込んだんですけど、これが敗着でしたかねー」
エ「27角とか怖かったんだけど」
(34手目単に27角は58玉と逃げられてきつい、かといってF玉は銀で弾かれ詰めろ継続)
ウンフェルスさん「28手目の綾瀬さんの手待ち、7二金とかでFを節約して受けられませんでしたかね」
(94歩はともかく、金上がりなら受けられる。ただ、金を近づけすぎるとFから金を取られる危険もあり一長一短)
(また、玉の横があくので飛金が怪しい局面では致命的だ)
(山田ァ!さんから同様の指摘)
エ「どこかで55歩と来られたら怖かった」
綾「どこから攻めればよかったのか分からなくって」
観戦者「55歩+F歩を使うと先手の攻めを止めつついけたかも」
綾「でもそこで決め手がないとF2回使ってピンチに」
エ「歩の付き得かもしれないですね」
エ「居飛車をさしてごらん」
綾「急に私が居飛車!」
綾「未だに何の囲いが強いのか分かってない」
・モコナ評
ただより怖いものはなし
・モコナ本評
綾ちゃんのちせパンは持ち駒が無いため少々威力が低かった
角を持って先手が銀を手放した局面でF2あれば逆襲のチャンスはあったのだが中々難しいところ
かといって龍が目の前にいる状況は詰めろであり悠長に出来ない
Fを使うか使わないか、とっさの判断力が問われる
第二局
綾「炭酸飲んだのが悪手だったかもしれないわ」
初手 ▲56歩
綾 先手
9手目 ▲16歩
ここまで相中飛車で手探り
11手目 ▲46歩
少し仕掛け含みの歩付き
後に傷になる可能性がある
12手目 △32角
エ「守備的な意味合いの手ですね」(一回戦ローラン氏参照)
引き角だ
14手目 △44歩
強気に突き返す、勿論タダだ
綾「これわなでしょ~」
エ「えぇ~?」
一局目同様のタダに心揺れる先手
ウンフェルスさん「パックマンめいている」
15手目 ▲同角
しかし取る
16手目 ▲53銀
単に銀が出る
銀には2枚の効きがあるため、フリーズで掠め取ることは出来ない
こうなると4筋の歩が一方的にきれた形になったため、後手にとってまずくない展開である
山田ァ!さん「角を取るためだけにフリーズはもったいないんですね」
(感想戦にて追記)
17手目 ▲88角
綾「ちょっとひよっちゃったかなー、日和ちゃんでした」
しかし攻め込むのはかなり難しい
単に銀を取ってもそこからのFの数に不安が残る
F角で角を取り、F飛で飛車を取るなどから行くべきか?
20手目 △84歩
銀が上がったのに合わせて、ちせパンをにおわせる
21手目 ▲45歩
ここでエクトリアが長考
仕掛けるタイミングと見たか
22手目 △55歩
エ「GOGO」
綾「55歩!」
24手目 △13角
ぽんっと角が出る
端角の有用性は以前の対局でも話されていたが、この状況はとても怖い
お互いに危険な領域へ
25手目 ▲54歩
気合一発、突き出した
綾「これで即詰あったらしょうがないわ~」
26手目 △68角成+F金(先手F3後手F2)
エクトリア、3分の長考の末に思い切った
どうすべきか
27手目 ▲同玉
28手目 △85歩
エ「これはもう綾ちゃんに投げた形です」
どうやら後続手がなかったようだ
29手目 ▲53歩成+F銀(先手F2後手F2)
持ち駒の銀を牽制する一手
31手目 ▲同飛成+F銀(先手F1後手F2)
決まっている
33手目 ▲42角+F金 まで
33手で綾瀬の勝ちとなった
戻って▲53飛成+F銀に△52金左は▲42角+F玉で詰んでいる
Fをかける駒が変わる点に注意
・感想戦
不利図(変換ミス)
綾「フリーズ使って失敗したらこの漢字使ったらいいんじゃないかしら?」
綾「68玉で詰みがあったら厳しかったですね」
ウンフェルスさん「空間装甲ですね>4六歩」
綾「ちょっと分からないわ」
(要は、スペースをあけておくことで直接被害を受けないようにするということ)
(フリーズ将棋では駒の密集が逆に危険であるため、角頭歩などはその発想)
空間装甲(本物)の説明については割愛
▲53銀でF角を追加すると
綾「F角は歩で支えてと金作る予定でしたね」
(と金を作られると守備にF使った上に攻撃が続行、大損である)
綾「32銀と上がったのはどういう狙いなんですかね?」
エ「角引いて守りに活用したくて」
綾「あーそっかそっか、引き角はびっくりしましたねー」
綾「前回の反省をいかして、壁銀を解消してみました」
綾「44角53銀のところは、F3回使って何かあるか分からなかったのでひよっちゃいましたね~」
エ「64銀は飛車角を広くしていく手」
綾「いやー、これ怖かったですね13角」
エ「55に出たらF使ってただで取られるからできなくて」
0011kusuさん「68角成は同玉が正解」
綾「どこかで57に打ち込んでくるんじゃないかと思ってましたねー」
エ「狙ってたんですけどちょっと足りない」
綾「2枚持ってたら大変でしたねー」
ウンフェルスさん「1局、2局と見ていると持ち駒がある方が仕掛けて勝っている感じですね。F将棋は駒を拾うのが怖いので、拾えてしまえば有利になる感じですかね」
・モコナ評
仕掛け時が運の分かれ目
・モコナ本評
引き角端角とエクトリアが多彩に仕掛けたが、68角は後続が続かなかった
先にちせパンを見せてから進めてみるのもよかったかもしれない
果たして相中飛車の場合玉を寄るべきかどうかは不明
最後はばっさりと綾瀬が切って終了、鮮やか
勝負は三局目に突入
第三局
先手 綾瀬
4手目 △52飛
三局連続相中飛車
綾「やめてー!」
6手目 △74歩
7手目 ▲76歩
奇妙な7筋の付き合い
11手目 ▲47銀
再び先ほどと同じ展開へ
13手目 ▲45歩
似ているようで少し違う、7筋から仕掛けられる
17手目 ▲同歩
エ「先に駒を渡したほうが負けるジンクスがありますが」
18手目 △75角
予想通りの△75角
5筋は切れている、歩は入手している
19手目 ▲66歩
これは狙いを止める事にはならない
20手目 △57歩+F飛(先手F3後手F2)
戻って66歩を76歩+F角にしても57歩があったためFの無駄遣いとなる
21手目 ▲76歩
取り合いになるようで素直にはならない
22手目 △58歩成
ここはF不使用を選択
メイさん「F銀だったら終わっていたのでは?」
終わっている、見落としだ
24手目 △55飛
角を無視して迫る
先手は対応が難しい
0011 kusuさん「先手に逆転筋があった気が」(感想戦にて)
25手目 ▲57歩
果たして受けになっているのか
26手目 △同飛成
普通には取れない
58歩+F玉→飛車+F玉で詰んでしまうからだ
Fをかけてどうにかしたいが
27手目 ▲同銀+F歩(先手F2後手F2)
58からの詰み手順を消したように思える
28手目 △86角
すっと覗いた王手
Fを消す見事な一着
止めるならF歩をもう一度するしかない、残F1になるので辛い展開になる
綾「これは……ここで終わりかぁ」
29手目 ▲58玉
これはいけない
先手、少し悲観しすぎたようだ
再び詰み手順がある
30手目 △59飛+F金
今度こそ決まった
どう逃げても詰む
32手目 △57飛成+F玉 まで
32手でエクトリアの勝利となった
・感想戦
観戦者「この展開があるなら飛車の頭を守る必要が(飛車の頭とは一体)」
(一体……なんなんだ)
綾「57歩打ちが見えて無かったですね~」
エ「2局目で仕掛けたときに歩があればぁって思ったので」
(その通りである、対局中に素晴らしい展開)
エ「角取りながらF歩だと詰みがなくてきつかったかも」
綾「ちょっと温存したかったのよねー、使わないとだめだったのね」
観戦者指摘
エ「58歩成+F銀で終わってるね」
綾「ほんとだー、中飛車最強説終わったかな~?」
エ「こっちも中飛車だけどね」
綾「これ(この仕掛け)受けれるのかしら?」
(多分75歩取り返さないとかそういうので何とか)
(相手が引き角できたなら角道あけないとかも選択肢)
(取らずに44歩と仕掛け返すのもよいと思われる)
エ「47銀型が飛車の頭を守ってないってことね」
綾「あー、そっかー」
常盤台メイさん「居玉居金に5八歩F玉はそろそろフリーズ詰め手筋になって来てるの面白いですね」
0011 kusuさん「55飛車のところフリーズ歩と宣言して角とったら流れが怪しい気が」
(実際それはあったかもしれない)
(F1使ってもいい状況なので、使っていくべきだったと思われる)
・モコナ評
高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応したエクトリアが勝利を収めた
・モコナ本評
2局目で歩が足りないということから7筋で歩を手に入れればよいという発想が出たことが強い
試合中に成長した感じがしてかっこよくないですか?
86角も完全な決め手ではないが素晴らしい覗き、綾瀬に何もさせずに終わらせた
全局を通しての感想
3局通じてエクトリアさんが様々な手を見せて攻め込んでくれた
綾さんも2局目は攻めそこなったところを返す刀でばっさり切り返したのはお見事
ただし2局目の反省を即座に生かしたエクトリアさんがそれを上回る形となった
今回の一手
1局目の角のただやんも捨てがたいが
3局目の75歩を押したい
2局目からの修正という意味である、2先ならではの緊張感
結果
エクトリアが勝利し、真澤千星氷王との決勝戦にコマを進めた
勝利した方が氷王となる
決勝は7月19日(金)23時から行われる……既に終了している