ほのえりは世界を救う

答えは得た――高坂絵里

氷王戦観戦記②

フリーズ、Act2!

前回のあらすじ

honoeri-chuchu.hatenablog.jp

WIN エクトリア○×○ー×○×鷺宮ローラン LOSE

フリーズ将棋、氷王戦の説明も↑に丸投げ!

 

前回の観戦記もどき、皆様読んで頂きありがとうございます

文字ばかりで見づらいものとなっておりましたのに……

 

今回は少し改良を加えてより見づらくなる予定です

 

今回の対局者

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VS

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ルール制定兼主催者の登場

果たしてどちらが制するのか

綾ちゃん、私とのスパーリング(7/10)が少しでも役に立つのか……(余り関係ない)

棋譜コメ中は敬称略で!

 

対局動画

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第一局

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上記の動画OR再現棋譜を見ながらお楽しみ下さい

(再現棋譜下のコメントでどうにかしたかった……そこはシェアできなかった模様、ノリノリで棋譜コメ書いてたのに)

 

▲56歩

氷王戦 一回戦第二試合 綾瀬綾VS鮫島フウロは2019年7月12日(金)23時3

0分に開始した

ルール:Freeze!将棋 10分切負 2先

使用対戦アプリ:将棋ウォーズ

場所:YouTube 綾瀬綾ch

 

△34歩

二人の対戦形では基本的に綾瀬中飛車、鮫島三間飛車の相振り飛車となる模様

綾瀬「お互い譲れないところ」

鮫島「ここはねー」

(敬称略)

 

二人は以前にもFreeze!将棋で対局をしている

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△62銀

一見普通の将棋のように進行している

観戦者「前回と同じ感じの戦型になるんですかねぇ」

 

▲54歩

鮫島「おー早速」

綾瀬「前に負けた局面と同じだから、私ちゃんと研究したからね」

 

後手は素直に△同歩

ここで普通に▲同飛と取ると、当然△5三歩+F飛と返されてしまう

F一回と飛車を引き換えは少し厳しい

仕掛けた以上先手はFを使うはず、後続手があるということか

 

▲同飛+F歩(先手F2後手F3 以降、F使用時はコメントで記す)

Fは相手のFを封じる

王手であるため後手は対処せねばならないが、ここで観戦していた記者はあることに気付いてダンマリを決め込んだ

候補手が三つあり、どれも基礎かつ重要な変化手順なので後述する

 

△62玉と後手は玉を逃すも

▲5三飛成+F銀が用意された追撃の一手

鮫島「えっ、うん」

後手驚く

まだ気付いていないのか、それとも気付いているのか

△7二玉には▲6三龍+F玉の詰みがあるため、△同玉しかない

 

▲5四歩+F玉(先手F0後手F3)

まで、13手にて先手の勝ちとなった

鮫「あーそっか、はまっちゃったー」

どこかの山口を髣髴とさせる台詞である

将棋ウォーズの仕様上、短手数では投了ボタンが押せないため数手無駄手を指してからの投了となっていることはご了承いただきたい

 

・対局後の感想

綾「あの局面で負けたからめっちゃ研究したわー」

鮫「うわー、こわっ!」

くりそら氏「私の研究が本命に刺さったー」

うんふぇるす氏「これが成立するんですか……恐ろしい」

実際恐ろしい

 

どうやら綾瀬はくりそら氏の研究を使ったようだ

綾「△4二銀に▲5四歩+F歩だと面白くないのが分かったのよね」

綾「フリーズ鬼殺し改」

綾「銀一枚上がった形だと確か受けられなかったはず」

くりそら氏「飛車走ったところは全部勝ちだったですね。研究では」

鮫「研究怖い」

綾瀬「私の嫌らしい性格が前面に出ましたー」

研究の勝利である

 

観戦者複数「△5四同歩+F飛で置きフリーズするしかないですか?」

その時点ではそれ以外に受け手がない模様

Fを1回使用するが歩を一方的に持てるため展開が変わる、のだろうか?

先手の飛車道が開きっぱなしなのが怖い

 

モコナ

Freeze!将棋こわーい!

先手綾さんが事前の対局からの研究を生かして作戦勝ちを決めた

フウロさんはエンジンがかかる前にはめられたような感じ

次局に巻き返しを図る

 

モコナ本評

F将棋の恐ろしさを見せ付けられた

本ルールにおいてF三回を連続使用して勝利できるに越したことは無い

Fと王手を混ぜて手を限定させることで詰みへ誘導する手順を見つけるのが最も強い

中飛車速攻は理にかなっている、ただし反動は怖い

 

・9手目▲同飛車+F歩の他の変化手順

△5二金は▲同飛成+F玉で、腹から金打ち+F玉で即詰む(左右同じ)

 

△53銀が最も頑強な抵抗、しかしこれには良い返しが存在する

▲同飛成+F歩(先手F1後手F3)

再び歩にFをかけて銀を取り、これが決め手となる

どの変化手順でも後手玉は詰む(△52金左は▲4二銀+F飛、△52金右は▲6二銀+F銀、△52飛は▲4二銀+F金)

一間竜の恐ろしさ、縦であれば尚更のこと

 

第二局

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再び綾瀬が先手を握る

 

△62金と後手が変化をつける

6手目△42銀

ウンフェルス氏「急戦拒否しようとするよこの形に落ち着くようですね、金銀で飛車先を支える形に」

綾「いきなり考えどころだわー」

▲96歩 端を突く、97角が狙いか

△52金上は少々怖い手

▲97角と角を覗いて、5筋に集中する。再び一気に決めにいくか

 

11手目▲5四歩+F歩(先手F2後手F3)

先手が仕掛けて戦端が開かれる

綾「思い切って勝負にいこうかなー」

 

△61玉

相手にしない△6一玉は好手

5一にいると金を取られた際41金で詰まされる手がちらついてしまう(52金上のデメリット)。金が並んでいる分、金を取られる可能性は高い

先に6一に移動すれば金を打たれる隙がなくなる

 

▲53歩成に後手は△同金直

かなり怖い&怪しい局面ではある、先手は残り2Fで技を仕掛けられるか

 

▲53角成+F金

同銀なら51金+F玉までというシンプルな狙い

ここで後手切り返しの△77角成!

王手でFを解除する、F逃れで最もよい手段

 

18手目△53金

馬を外すが後手のピンチは続く

先手には明確な決め手が存在するのだろうか

(本記事記載中のモコナ検討:▲82角辺りから絡むのもよかったかもしれないが、△72玉+F角に決め切る自信はない)

(以下、▲61金△82玉▲71金△同玉+F銀▲53飛成辺りが一例)

(強制的にFを使用させることが出来るので、良いのかもしれない)

 

▲53同飛成

先手は思い切りよく突撃した

綾「フウロさんまだ一回もフリーズ使ってないよねー」

前局を含めてまだ一度も使っていない、使えていないというべきだが

 

△同銀+F角(先手F1後手F2)

これで▲51金+F玉の筋を消す

フリーズは相手フリーズを防ぐために使うことも出来るのは見逃しがちだ

 

21手目▲58歩

この手は強制

打たなければ△58飛+F金▲同玉△57歩+F玉で詰む

初形は頭の歩がなくなるとこの詰み筋がある事を忘れてはならない、ゆえに中飛車は諸刃の剣

 

△51飛車

自陣飛車で詰みを消す

局面が落ち着けばフリーズ数の差が脅威になる

 

▲66角と盤面に角を据える

先手F1後手F2の状況は思ったほど後手が有利と言うわけではないか(優勢程度)

しかし角を手放したのは少し早かったかもしれない

 

△44銀と飛車道を開けて圧力をかけていく

▲65桂

綾「勝負にいきますかー。受けてるだけでは勝ち目がないですね」

狙いは広くは無い

これに対して△64角、攻防の一手に見える。普通の将棋であれば

 

△36歩

鮫「いいんですか~」

綾「終わってる?」

鮫「普通の将棋ならこれでいいんですけど」

 

▲72歩のおまじないは同玉と冷静に対処

桂頭から執拗に迫る先手、金2枚は手にはなる

 

が、△48とに▲同金と応じたため

44手目△39飛成+F金

急転直下

合駒を打てずこの手で後手の勝ちとなった

 

戻って△48同角だった場合はもう少し難解な戦いになったようだ

(長いため手順は省略するが先手のFを消滅させることは可能、ただし先手も後手玉を詰み寸前まで追いやれるため形勢は思った以上に差はない)

 

・対局後感想

綾「7手目しかけようかと思ったけど勇気というか自信がなかった」

綾「61玉がいい手でしたね」

鮫「前の対戦のときに居玉のままだったらつぶれるなって思い浮かべて」

 

綾「77角成はいい手でしたね~」

 

綾「△53同銀+F角がいい手でしたね~」

鮫「覚えてた♪ 相手を制御しておけばF玉での詰がなくなるから」

綾「F金よりF角の方がいいはず」

ウンフェルス氏「本譜でも指摘されてましたが、20手目のフウロさんのF金(訂:F角)に対して王手でFを無効にして綾瀬さんが迫る筋は考えたいですね」

(鋭い指摘)

例えば、▲51金と捨てる手が考えられる。これをそのまま同玉は▲61金+F玉で詰み。△同玉+F金は▲52歩の追撃が厳しい。Fを使って詰み逃れは可能だが後手のFが無くなる。最善はなんと△72玉+F角。後手のFが一個でも△58歩▲48玉△57角+F玉の筋は消えないのでここで先手は一息つくしかない。。駒損した綾ちゃんがFを残す展開になるかもしれない)

 

綾「51飛車いい手、詰み消しつつ攻めにも利いてる」

綾「66角打はちょっとよくなかったかなー、狙いがよくわかんないから」

綾「同角でも詰んでたよね?」

鮫「ちょっとこっちは分からなかったんだけど」

綾「あれ、私も分からないわ」

​くりそら氏「最後は厳密にはF角を使ってから連続フリーズでもよかったかもです」
△48と+F角▲同金で本手順と同じ着地。同玉は△56桂+F玉で詰み)

 

観戦者「綾ちゃん53角成でF使わずに突っ込んでもよかったかも」

綾「そっか~、王手解除が見えてなかったのよね」

 

観戦者「▲68銀に△78角+F金が厳しい?」

綾「ほんとだわ~、連続F使われると詰んじゃうから」

鮫「早逃げくらいしかないよね」

綾「角持たれるととたんに危ないってことかー」

 

モコナ

Fを残したフウロさんががっちりと攻めを受け止めて反撃で勝利

お互い詰み筋を持ち駒を打って消したところが魅せるシーンであった

勝負は最終局へ

 

モコナ本評

やはりFを使うなら決めきらなければならない、もしくは相手にFを強要して同数に戻さなければならない

この点は大変難しく、駆け引きでもあるし緊張の連続だ

フウロさんの51飛自陣飛車は陣形引き締め最適の好手

Fの数も合わせて焦った綾さんの66角を誘発したと言える

 

第三局

鮫「このへんでおわっとくー?」

綾「やめたいわ~」

ダメです

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ついに鮫島が先手を引いた

▲76歩

6手目まで前局と同一局面進行であったが

 

▲同角+F飛(先手F2後手F3)

ついに鮫島が先にFを使用した

果たして仕掛けは通るのか

 

相手せずの△14歩に

鮫「いや、今回は攻めたいな~」

▲73角成+F桂(先手F1後手F3)

果敢にアタックした、しかし残りF1では一気に決めることは難しそうだ

 

後手は△42玉と交わす

▲91馬

じっと香車を取り込む

▲46香などが見えて先手は対処を迫られる

 

△57飛成+F金(先手F1後手F2)

攻め合いを選択した

 

▲58香

この香車受けはまずかった(実際は受けはない、後述)

 

△48竜+F玉が決まる(先手F1後手F1)

ここで鮫島が指し間違えたものの、既に詰んでいるということで後手の勝利となった

 

戻って△57竜成には▲58飛しかなかったか

それでも△同竜+F玉▲同金から腹金+F玉で

△49玉は▲48竜+F飛△同玉▲57金+F玉で

 

・対局後感想

​真澤「やっぱり中飛車最強なのか…」

 

綾「55角はどういった狙い…構想だったんですか?」

鮫「局面が落ち着いたら差が出るかなぁって思って

鮫「どっちかというと受け指向な手だったかなぁ」

 

綾「73角成に銀を上がったら連続Fで危ないのかと思って」

(ただし既にFは1個しかないので難しかった)

鮫「一旦▲46馬として57の守りを強くしようかなと思ったんだけど……」

綾「それはいい手だわー」

(ありである。しかし角道を開けられると局面を落ち着けるのが難しく、Fの差が出る可能性が高い)

 

観戦者「57竜成+F金にどう受けても無理ですね」

鮫「え、終わってるの?」

綾「私も分かってなかったわ」

鮫「じゃあ46馬と戻っておけば……」

 

綾「Freeze!将棋、恐ろしいわぁ」

鮫「恐ろしい」

 

モコナ評:

三局目は再び短手数での決着

フウロさんが先手でしかけたものの、カウンターパンチをもろに浴びせられる格好となった

 

モコナ本評:

55角から局面を落ち着けたい構想は一考の余地はあるものの、5筋の歩が無くなり飛車が通っている状況は恐怖

そこまでに2F使っていたのもあって厳しかったと思われる(1Fなら1歩得でなんとかなるのだろうか?)

先に1回使って明確によくなる手順は何かあったら教えて欲しいところだ

 

全局を終えての感想

ルール制定者の面目躍如

綾ちゃんが研究手で1局目をものにしたものの、2局目はフウロさんが対応力と受け力を発揮

綾ちゃん3局目の勝因は恐れずに突っ込んだところにあると見られる

対戦数で磨かれるところなのかもしれない

 

今回のベスト指し手は、2局目の▲58歩△51飛

お互い詰み筋をしっかり消し合った応酬がステキでした

 

結果

綾瀬2-1鮫島で綾瀬綾の勝利となり、次戦エクトリアと準決勝で戦うこととなった