「選択の権利を与えましょう」
「それは強制っていうのでは?」
「私に選択の権利なんてあるのかな……」
「大体選択する行為そのものに権利も自由もあるものか。主張すべき権利や自由、付随する義務や責任は、【選択した選択肢】の方に依存するものだ。選択という意識付けはただ己の中にある。他者に委ねるというのもまた、自己の選択に他ならない」
「ちょっと黙って」
「大体そう尋ねるやつは腹の中では結論決まってるくせに聞いてくるやつが大半だから」
「しんみりさせて」
「なんで文化芸術が最盛期を迎えた後、割とすぐに国は滅ぶの?」
「そりゃあ、エネルギーを持った若者が通常社会活動に強烈な閉塞感を覚えて、文化に傾倒注力するしかなくなるからだよ……」
「アメリカは?」
「アメリカに確たる文化なんてあったっけ?」
「あれはイメージ商売だったわ……」
「これ思う度に鄭(春秋)を思い出す」
「個々人は曖昧でグラデーションのような意見や感情の幅を持つことができるのに、どうして大衆心理はゼロイチになってしまうんだろうね」
「曖昧な意見は人の心を動かさないからやねぇ」
「結局メディアが捉われてしまう原因もそこかな」
「だからこそバランサーは蝙蝠と蔑まされても存在しなきゃいけないんよ」
「読者とスポンサーに媚びたら終わりだねぇ」
「商売はそんなもんやけど」
「まだ特定団体の広報を唄ってる赤旗聖教日経の方が」
「ほんまぁ?」
「(ヾノ・∀・`)」
「自分の好きなものを貶められるのはなるべく見たくない」
「わかる」
「自分の嫌いなものはなるべく見たくない」
「わかる」
「自分の嫌いなものはこの世に存在してはならない……」
「ちょっとまって」
「だって存在したら目に入るんだよ!?」
「生まれた時代が悪かったんだ」
「何も終わっちゃいねぇ、戦争は終わっちゃいないんよ!」
「どうにかしてトイレのおばさんとか消したいんだけどどうすればいいんだあれ」
「毎晩めっちゃ怖いホラー漫画のバナー広告が夢に出るんです……」
「辛い」
「検索ワードのせいじゃなくて、置いてある広告が固定でマンガサイトのせいなんだろね」
「あの手の広告取り締まれないのかね?」
「毎日お世話になってる情報サイトで切ることができないの」
「FXで検索いれてFXの広告出すようにした方が心が休まる」
「世知辛いわ……」
「合同の感想が来ない」
「普通じゃね」
「多分主催副主催と校正手伝いの方にしか読まれてない自信があります」
「力強い自信だ」
「そもそも私の手元にもないや」
「それが悪いんだな」
「あったら全員に少なくとも一言は返すよ」
「それ、『読んだ』『見た』の類いだろ」
「それは最低限だよ、それなりに多くなるかもだけど」
「何とかひねり出せよ」
「それ以上言葉を費やしたくないやつだってあるでしょ!」
「失礼だと思わんのか!」
「106もあんの! 読んでないよりマシ!」
「それは一理ある」
「合同はそれがあるから買うとき難しいんだよねー」
「参加しといてよく言うよ」
「そりゃ私の読んでも反応しづらいだろから、私が他の人のを読んでもやっぱり同じことが起きると思うわけ」
「当たり外れは時の運」
「とはいえ、同じ本に寄稿した同志に読んだら一言はかけときたいもんでしょ」
「その理屈なんだな」
「そこが通すべき仁義なのよ、でも変な取り繕いは自分に心苦しい、相手が苦しむかは知らない」
「他の人への感想の温度差を見て苦しむ人いそう」
「そんなの、誰でもやってることなのにね」
「いつ手に入るかな……?」
「最悪メロブで買う?」
「上手く郵送してもらうべきかも……うーん」