ほのえりは世界を救う

答えは得た――高坂絵里

V名人戦 第一期 観戦記 ~ V-A級第二局 帝塚伶人 VS 七ツ星北賽 ~

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これが、V-A級……

借金返済中(現在借金2局)

前局

 

honoeri-chuchu.hatenablog.jp

第二局 指し手、実況解説

帝塚伶人

www.youtube.com

 

七ツ星北賽

www.youtube.com

 

実況:未良々桂(みららけい)

www.youtube.com

 

聞き手:エクトリア

www.youtube.com

 

見所

ここで多くを語るより二人の対局のアーカイブを見てもらったほうが早い

そういう一局であったということである

アーカイブ

みらら中継放送のアーカイブ

https://www.youtube.com/watch?v=tgi72hyXSUc

 

(みららさんの動画リンクってカード設定がされてないんだろうか、と常々思ってる)

観戦記

各位 略称

帝塚怜人:帝

七ツ星北賽:北(見た目で分かりやすい方で呼ばせていただきました)

未良々桂:みらら、み エクトリア:エ

▲68銀△42銀▲57銀

▲76歩△14歩

△64銀

▲48玉

▲38玉

△62玉▲46歩

△55同銀

▲62竜△64玉

△54玉

感想戦

み「ターニングポイントは、26歩35歩ですか」

み「ここで55歩が三秒だったんですけど、決めていた感じですか」

帝「そうですね。歩交換から銀の攻めが早いので、真ん中が薄くなるから」

帝「3筋の歩を取られても同金で」

 

み「北賽さんの35歩はやる気まんまんだったんですか?」

北「まあまあ、36同金でもそれはそれで形は崩せてるのでやることはあるだろうと」

 

55銀、55角と46に利きがある形

帝「これはよくある形なので、相中ではよくあります」

み「良くあるといわれて、ショックを受けたみららけいであった」(みららは中飛車使う)

帝「相振りやると相中にはよくなるので」

 

54歩を打つかどうか

北「(41銀の)割りうちが見えてたので」

コメント「54歩の前に57歩入りますかね」

帝「(57歩同飛54歩に)割り打ち(41銀)ですね」

北「この角の形だと57歩は割りと出てきますか……」

 

52飛打ちを防がないといけない話

 

71銀の話

同金は52飛成から簡単なので難しいほうは読まなくていいです、ヤッタネ!(ローランさん指摘の通り)

52飛成に銀合・金合どちらでも71飛成同玉61金から詰みます

 

54歩に42金右の話

 

32金ではなく42金でよかったんじゃの話

帝「46歩とした時点で46地点を目指して行ってもよかったのでは」という話

 

みららが二人から中飛車の話をたくさん引き出そうとしているのが印象的であった

 

新コーナー、KENTOちゃんと検討!

本局は短手数ながら非常に面白い変化に富んでいる

私の頭では到底読み解けないので、KENTO先生においでいただいた

 

honoeri-chuchu.hatenablog.jp

多分来月から有料プランにします

 

では見ていこう

◎35歩に先手が55歩とつき返した局面

余り芳しくないようだ

KENTOちゃんは同歩と取り返されたら27銀と上がることを提案しているが、それでは突いた意味があるまい

ということは、本進行のどこかでやられるということになるわけで

 

やはり54歩打ちが勝ったか

しかしこの後の展開を見ると、このマイナス500の数字は見た目ほど大きいわけではない

以下の手順の一例がこうだ

 

△54歩▲53歩△53同飛▲33角成△同金▲45桂

なんだこの攻め攻めは

△52飛▲25歩△13角▲33桂成△46銀

待望の△46銀が実現

▲43成桂△12飛▲46金△同角▲37角△同角成▲同玉

で、以下の図になる

 

本進行は一例に過ぎない

先手玉は露出しており、成桂が敵陣にいることがかえって桂馬を後手が手に入れるチャンスがあることから後手まあまあ有利というのがKENTOちゃんの形勢判断なのだろう

しかし、攻めて行こうとしていた後手が、逆に先手に手順を固定されるような進行をヨシとするかといわれると何ともいえない

ここからガン攻めでいけるとするならよいのだが、反動もあるのだから

でも飛車が寄れば端攻めも可能か……? 飛車渡すと怖すぎて流石に無理ですか

 

さて、本局は55飛と大乱闘スマッシュブラザーズへ突入した

ひっくり返ったね

で、取り返した局面がこれ

52歩でも51歩でも一緒のような気はする、合わせられたらつりあがるので

 

◎52歩に対する先手の攻め手順

この53歩はちょっと人間打ちづらくないっすかね

直感66角にびびるじゃないですか

後46銀にも(44角はなんかおかしい気はする

ところがギッチョン

一直線になったらそりゃ寄りますよという話

右上予想手順にも出ている通り、53金打と頭を抑えられたら後手は絶望するしかない

 

じゃ、戻って53歩に同歩と応じたらば?

▲53歩△同歩▲同飛成△52歩▲56竜

で下の局面

これはもう玉形の差がモロに出てしまう

34歩だって残っているしちょっと後手に未来がない、点差以上の辛さを覚える

 

本譜は41飛と打ち下ろしたので別進行となった

 

◎71銀の話

確か、いっしゅー氏が指摘した71銀

実はKENTOもこれを示していた

いわれて見ればなるほどの一手だがよくよく見てみると受けがあるし決まっているわけでもない

攻め継続はこれしかないということだったのだ

 

51銀と受けた場合を先に見ていく

△51銀▲52飛成△同金▲53歩

52飛成が用意の一手、同銀は詰むから同金、それに53歩としたのが下図

 

この進行は後手あかんやろうと思っていたが、KENTOちゃんがそっと教えてくれた61玉

抜けられるのか君

んで、なんやかんやと進行したら下のようになり

勝負になる形、54歩や59香が見えるので後手は面白くも無いが、先手も角で睨まれているので大変

 

じゃあ最強の受け、44角ならどうなるかと言うと

▲71銀△44角▲82銀成△62玉▲56飛△47銀▲同銀△55銀▲59飛

で下図

焦ると62玉とせずに82玉として真っ青になるかもしれないから、注意せねばならない

後手陣も乱されたが先手陣も乱れておりここからというところ

 

◎54歩への応手

難しいなぁ

つまり銀金交換させないことこそが重要だとおっしゃっておられる

▲54歩△42金右▲53歩成△同玉▲51飛成△44玉

合い駒をするとやっぱり銀金交換になるので合い駒せず44に逃げる

▲52銀成△47銀▲同銀△88飛▲38銀

となって下図

これはちょっと先手が支えきれないだろう

後手の持ち駒は豊富で、詰めろろくらいになっていてもおかしくない

 

◎52銀成に同玉と取ったら?

少し疑問だったので進行を調べてみた、大分盤面はすっ飛ばすので並べてみてほしい

▲52銀成△同玉▲81飛成

▲81飛成が詰めろのため後手は受けないといけない

△42銀▲46金△同角▲37歩

先手が落ちている銀と取ると、この瞬間後手玉にまた詰めろがかかる

△44歩▲47金△68角成 で下図

41銀から毟り取られて苦しい

本譜のように一直線に詰みまで持っていかれはしないが、辛い時間が長くなるといったところか……

 

71竜に対する最強の合い駒はなんだったのか?

◎71竜には?

こんなの指したくないです

指したところで別に事態が好転するわけではないのがポイント

 

最後に、これを見てもらって終わりにしたい

◎55飛の粘りを刈り取る一手

KENTOちゃんとピッタリ一致した

わざおぎ。

 

記者所感

非常にハイレベルで有意義なものを見せて貰った

V-A級前局(将士ーカユク戦)は対抗系ならではの仕掛け・そこからのねじり合いが見所であったが、本局は中飛車という刀を突き付けあった状態から一瞬の決着という感じであった

 

北賽の52歩受け、帝塚の54歩など見所は満載だ

これだけ読んで動画を見ていない方はそうそういないと思うが、いれば是非ご覧になっていただきたい

 

 

いやいや、見ている側もひりつく将棋になっていたという点で北賽氏の目的は達せられている気はする

各種リンク

公式HP

sites.google.com

公式ツイッター

twitter.com

 

今後のスケジュール

3月7日(土)22時~:V-C級第四局 グラン亭栄酒蔵 VS 歩

3月8日(日)20時~:V-B級第五局 常盤台メイ VS 鮫島フウロ

今週末も2局開催だ!!

マッハ!

 

あれ、上は昨日に終わってますね…?