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答えは得た――高坂絵里

V名人戦 プレシーズンマッチ観戦記 ~ 第四局 紫陽花さくら VS 常盤台メイ

 

前回までのあらすじ

第一局

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第二局

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第三局

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 星

二勝:真澤

一勝一敗:未良々

一敗:紫陽花・常盤台

 

第四局指し手・実況解説

紫陽花さくらさん

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常盤台メイさん

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実況

未良々桂さん

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ゲスト解説

漣カユクさん

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第四局展望

緒戦を負けた両者が一勝目を狙う

何とか勝って優勝チャンスが欲しいところ

メイさんは振り飛車党、紫陽花さんは力戦派

お互いに良く指している同士、序盤の選択が気になるところ

 

第四局の動画

実況視点

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対局者視点

メイ視点

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第四局の観戦記

今回も敬称を略しておりますので、ご了承下さい

紫陽花:紫陽花、あじ、あ 常盤台:メイ 未良々:み 漣:カ

また、放送見直しの都合先手のメイさん視点に立った文が多くなってしまっているのは反省点

 

△84歩

▲68銀△42玉▲48玉△32玉▲16歩△14歩▲38銀△52金▲58金

▲39玉△63銀▲28玉

▲56歩

感想戦

あ「エルモを見越して57銀は対策してるなぁって」

△94歩▲96歩△42銀

▲55歩

▲54歩

支えかつ55銀出を見ている、この後の展開を読むために紫陽花は57歩に時間を使ったのだろう

ここが最長考で先手は3分30秒消費した

△55銀

こういう手は非常に重要(相手にとってショック)なので、真似していきたい

△46銀

ここで先手は持ち時間を使いきった

▲同角△同歩成

後述の感想戦でも上がっているが、54金には66角の返しがありそれはまた一局とのこと(後手も希望がある)

▲74飛△73歩打▲73飛成

△89竜

うっかり桂馬を渡したりすると、24桂に33玉と逃げても36桂と下から継がれて大変なことに(逆に36桂から入る普通の手順もあるため、支えきれない)

紫陽花さんとしては何とか最小限の犠牲で斜め駒が欲しいのだ

メイさんの攻めがちょっと遅いのではという疑問から来ている

△59歩成

 

ここからの棋譜コメント、両対局者に対して上から目線で辛辣に見えるかもしれませんが平にご容赦ください

秒読みに追われてる指し手と、上から勝手に見てる人間との温度差は埋めがたく

プロの棋士なら間違いは間違いですがほら……そこまで書かなくていいんじゃないかなってなりません?

書いてて自分でそうなった

事実は事実として書くのですが

 

この段階で、メイさんは自玉詰が見えていたとのこと

(12月19日20時追記)

くりそら氏の指摘により、本局面でも先手玉に39角からの詰み筋が普通にあると発覚

以下手順例

39角18玉28金17玉38金26玉35銀25玉24歩同成香同銀同玉22香23桂33銀25玉24香36玉35歩47玉48角成同銀同馬56玉55金67玉87竜77合78銀68玉69桂成

 

24歩に同成香と応じなければいけないのがミソ、22香~33銀が利いて追い返されたところで35歩がピッタリ

からは様々な手順があるがそこまで難しくはない(うっかり57~66と逃げられなければ、それも防げる

言われてみれば香を取って22に打つのは気付くが、本記作成中は「桂跳ねても打ち歩詰だ……」と思い込んでた模様、錯覚いけないよく見るよろし

 

▲同銀△同桂成

△55歩

またもや現れる打ち歩詰

同金だと本当に詰まない、どうなっていたんだろうか……

△同玉

△56玉▲46金△45玉

 

 

感想戦

み「112手」

カ「熱戦でしたね~」

あ「紫陽花さんの今の体温は(風邪です)」

37.4度

 

カ「対三間というのは普段から指してるのですか」

あ「最近指してなかったので」

あ「中盤からちょっと自分できわどいなと」

み「途中までは居飛車持ちだったんです」

あ「角切ったのはやりすぎだったかな」

カ「そこは切ってくれるものだと信じてたのですけど」

 

あ「ずっと51に底歩打ちたかった」

 

カ「問題の52と、なぜ延々と保留していたのか」

メ「52と、やりたい手だったのですけど、86の角の顔が立っちゃうので」

あ「42銀取りが王手で入るのが嫌だったし」

 

59馬の瞬間の即詰についての話

メ「やっぱりあったんですね、そろそろあるとはずっと思ってたんですけど」

 

角をぶった切ったのがやりすぎという理由

あ「13角から45金をやりたかった」

メ「それは完全に無視しようかなと思ってました」

 

コメント欄及び動画にて、70手目に54金と当てる分岐の検討

ローラン「返しの66角が強敵」

66角と打って飛車と竜を取り合い、と金を払った後が一局

あえて角を取って飛車を戻ってもらうのもあったか

 

中盤の山場

メ「67歩いやでした」

み「あそこの2手で5分くらい使ってました」

み「51に飛回ったほうがよかったかな?」

メ「単純に55銀と来られるのもやだなと」

いやいや期

67歩に変わって86歩から入ると結構後手有望だったのではという検討もなされた

 

メ「57歩が痛すぎましたね、激痛でした」

み「どうすればよかったか」

あ「ぶっちゃけ57歩は第一感だったんですけど、ちょっと確認で時間使いました」

あ「(65同歩ではなく)45銀ずっと嫌でしたね」

み「メイさんの棋風と違うような」

メ「いや、あると思って指してましたよー」

45銀は54銀と出る手も見えるため、玉頭は受けないとしても後手が大変になる、

メ「本当に65歩を取ったのがひどすぎました」

 

 

序盤の駒組

あ「組んでたらこれエルモでやるやつじゃないって気付いて」

あ「最悪中飛車にしようかなと思ったら先に振られたから絶対振りたくないって」

み「同じところに振るもんですけどぉ(意訳)」

あ「同じ筋に振っていい思いをしたことがない、技決められて」

 

 

最後に全体を振り返って

カ「もうちょっと力戦になるのかなと思ってましたけど、意外とお互い手堅い将棋になりましたね。熱い試合が見れて面白かったです」

あ「互いの持ち味は出たのかなぁと。どっかで一勝するのが目標だったのですが、次、真澤氏だしな~」

メ「ばっさり切られないようにというのを意識して指せたのはよかったかなと思います。最終局みららさんですが新戦法に惑わされないようにいい将棋がさせれば」

 

記者所感

勝つことの大変さ

勝つと言うことは本当に大変である、ということを痛感させられた

だからこそ面白い

 

戦形としてはメイさんの土俵に紫陽花さんが上がった形なのだが、エルモを用意してきて中盤一旦優位に立った

しかし一瞬の隙を逃さず65桂57歩を払い、捌ききって先手が優勢に

ところが時間をそこで使いすぎたため、44金がいるエルモの攻略に手数をかけてしまって紫陽花さんが駒を使わずに急速に追い上げる

最後はもう秒読みの中の指運のところがあるので手の良し悪しは言うべきところではない

恐らくは、美濃の懐の深さを知っているメイさんに対し、エルモをそこまでたくさん使っていなかった紫陽花さんとの差が少しだけ出たという感じではないかと推測する(囲いに対する信頼度と経験の差)

 

見ているこっちもひりつく終盤と言うのは、やはり楽しいものである

 

メイさんの自戦記

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こちらも是非

 

次回

残り2局、年内予定です

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